of birth

おてんば天使

(1959〜1962)
■ 少女 長編
(全948ページ)
■ 牧村エミ子は、四人家族の末娘。お父さんは外国航路の船長だった。ある日、お父さんが新しいお母さんを連れてきた。エミちゃんと姉の千恵子は好印象を持つが、亡くなった母の記憶が鮮明な兄の健太郎は、一人それを受け入れることができない。しかも健太郎がたまたま町でけんかをした、やくざ者の親分と新しい母は、なにやら知り合いのようで、なおさら気に入らない。父は束の間の休暇を終え、新たな航海へと出発していった。牧村家は、新しい母と3人の子どもによる新しい生活が始まったのだ。ところが、その父の船が、大型の貨物船と衝突し、沈没してしまった。生存者の中に父の名前はなく、家族は悲しみの中、葬儀を行った。だが父は亡くなってはいなかった。別の船に助けられたのだが、過去の記憶を失い、その船で船員として働くことになっっていた。一方、母を認めることができない健太郎は、探偵を雇って母の過去を調べた。調査の結果、かつて母は、スリであったことが判明した。戦災孤児だった母は、生きるためにスリをしていたが、エミ子たちの父に出会い、スリを止め、しかも大学まで行かせてもらったというのだった。しかしそんな母の話を聞きながらも、健太郎の心は開かれることなく、母は家を出ることになった。お母さんが好きでたまらないエミちゃんは、一人でお母さんに会いに行ったが……1960増刊号(テンちゃんの巻)1962増刊号(本編のその後を描いた短編作品)あり
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