■ 時代劇 少女 短編
(全15ページ)
■ とんがり長屋に父と二人で住む由紀は、ある日突然、町で侍にさらわれてしまう。由紀の帰りが遅いことを心配して町へ出た父は、由紀だと思った少女の手を引くと「ぶれいもの」と怒られてしまう。実はそれが夕姫だった。いっぽう、夕姫と間違えて由紀をさらった青葉城の家老一味は、様子がおかしいのに気づく。そして由紀と名乗る娘が語った長屋へ行くと、確かにそこには本物の夕姫がいた。由紀が偽物であることを知った家老の黒沼五右衛門は、由紀にしばらく夕姫の代わりをさせ、その間に本物の夕姫と三太夫、そして殿様を暗殺しようと企んだ。だが、夕姫を斬るために長屋に送り込んだ家来は、由紀の父に返り討ちにされてしまう。生き残った武士から黒沼の悪巧みを知った由紀の父と夕姫は……テレビの「水戸黄門」などでよくある、瓜二(うりふた)つの姫と村娘の取り違え事件の話。