作品リスト


船頭姉妹(1957)

■ 少女 短編
(全50ページ)
■ よし子とみつ子は、潮来で船頭をして暮らす姉妹だ。母はすでに亡く、祖父に面倒を見てもらいながら、二人きりで暮らしていた。ある日よし子が家に帰ると、そこに父がいた。父の源次は、人を殺して8年間刑務所に入っていたのだ。父の所行を憎むよし子は、父を追い出してしまう。しかし根の優しいよし子は、父にひどいことを言ったと祖父に涙ながらに語るのだった。よし子のことを好きな洋一という青年は、母親から、源次の親戚になるのは嫌だから結婚を諦めるようにと言われる。しかも源次は、洋一が借金をしている金田の親分の手下なのだ。一方、妹のみつ子は、父の顔も知らないが、昔の写真を見て、家の前で会ったが自分の父であることを知る。友だちから人殺しの子と意地悪を言われても、父親に会いたい気持ちは募るのだった……
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