of birth

丹下左膳

(1956)
■ 原作:林不忘
■ 時代劇 原作付 中編
(全178ページ)
■ 柳生源三郎が、司馬道場の娘と結婚し道場を継ぐため伊賀からやってきた。明日は道場という日に、柳生から道場への進物「こけざるの壺」がつづみの与吉という男に盗まれた。追っ手をまくために与吉が隠した壺を、チョビ安という子どもが偶然拾ってしまう。チョビ安は与吉に追われて逃げ、逃げた先にたまたま一人の武士がいた。隻眼、隻腕のその武士は、与吉ばかりでなく与吉を追ってきた源三郎の配下の武士も蹴散らしてしまった。それが丹下左膳だった。 一方、与吉の雇い主が司馬道場の峰丹波だと知った源三郎は、植木屋の身なりで司馬道場に乗り込んだ。源三郎は丹波と切り結ぶことになるが、源三郎は柳生流の使い手、敵わぬと見た与吉は、なんと左膳に助けを求めに行く。左膳は柳生源三郎と試合がしたい一心でその場に向かった…… 丹波たちが狙うこけざるの壺には、柳生家の隠し財産の謎が隠されているというのだ。壺を巡って様々な人物が入り乱れる快編。 原作は林不忘の『丹下左膳』(こけ猿の巻、日光の巻)丹下左膳にはもう一話「乾雲・坤龍の巻」と言われる作品があるが、こちらは元々「新版大岡政談・鈴川源十郎の巻」という作品で、この中で初めて丹下左膳が登場する。 また、丹下左膳はいうまでもなく映画やテレビドラマとして多く映像化もされている。
S024