■ 時代劇 短編
(全64ページ)
■ 弓の得意な為朝は、森の中で「八丁つぶての紀平次」と名乗る男に出会った。石つぶてを使って狩りをする名人で、為朝は紀平次を家来にすることに成功する。だが、藤原信西の講義で信西の顔をつぶし、その怒りを買ったため、為朝は家を出て九州へ向かうこととなった。道すがら、名うての武道家や弓使いなどを次々家来に加えていく。為朝は阿曾三郎忠国の力を借り、自分を狙う宗像権太夫を倒し、やがて九州を統一する…… 鎮西八郎為朝の話は『保元物語』に詳しく、本編もそこから取られているが、最終的に琉球へ渡ったという伝説を採用している。九州への途次が、何となく鬼退治に向かう桃太郎のように見えてくる。