of birth

金色のキューピット

(1963)
■ 少女 中編
(全138ページ)
■ ある日、関東大震災並の大地震が起きた。逃げ惑う中、上條家の家族は娘の由理子がいないことに気づいた。実は由理子は瓦礫の下敷きになっていて、三郎という男に救われていたのだ。怪我はほとんどしていなかったが、由理子は記憶を失っていた。三郎は、仲間に罪を着せられて獄中にいたのだが、地震を利用して脱獄し、かつての仲間に復讐しようとしていたのだ。偶然出会った復讐相手の一人、ジロを三郎はドスで刺し殺す。そんなことは知らぬ由理子は三郎を慕い、掘っ立て小屋で二人暮らすようになる。三郎は、復讐を遂げるため、信頼できる豚田を訪ね、健を殺した。だが、豚田は無理矢理口を割らされ、三郎の居所が知れてしまった。そんなとき、ひょんな事から由理子の家族は由理子が現在住む家を知る。だが、仲間から逃げる三郎と行動を共にする由理子は、もはやその家にはいなかった。そして、三郎たちの争いに、由理子だけでなく、双子の妹、真理子までが巻き込まれていくことになる……
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