of birth

東京プリンセス

(1962)
■ 少女 中編
(全242ページ)
■ 新吾と妹の梨枝は二人だけで東京に遊びに出てきた。いきなりスリに狙われて財布を盗られるが、財布の中身はただの紙切れだった。二人が山城商事を訪れると、社長の五郎兵衛は「若様!」と言って平身低頭する。実は二人は松平家の末裔で、東京に70近い会社を持つ一族の御曹司と令嬢だったのだ。山城商事を乗っ取ろうと考えている重役の多良福と居留家は、二人を痛めつけて東京から帰らせようとする。悪巧みをパーティー会場の外で偶然聞きつけた女スリのおつたは、新吾にそのことを伝えた。だが、新吾は武芸に秀で、あっという間にならず者をやっつけてしまう。悪者たちの声を聞いていたおつたの手を借りて、新吾とリエは犯人を捜そうと考えるが、新吾はリエを人質に取られ怪我をさせられてしまう。そこでリエはおつたと二人で犯人捜しを始めるが、今度はおつたがやくざ者に捕まってしまう。そして、新吾の元におつたの身代金として一千万円を払うように手紙が届いた……大卒初任給が12,000円位だった頃のお話である。
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