作品リスト


由美と三太(1960〜1961)

■ 中編
(全172ページ)
■ 由美と三太の姉弟は、田舎で母と三人暮らしだったが、母が病気で亡くなり、母の兄である東京の叔父の家で暮らすことになった。叔父の家は金持ちで、女中までいる暮らしぶりだが、娘の雪子は二人に辛く当たった。意地悪く二人を使用人のように扱う雪子に腹を立てた三太は、雪子に靴を投げつけ、家を出てしまう。町で知り合った靴磨きの少年、三吉の、貧しい家に泊めてもらった三太は、やくざのような男たちから、カンヅメを天竺飯店という中華料理屋まで運ぶ仕事をもらった。簡単に仕事を片付けた三太と三吉だったが、天竺飯店の主人は、三太の名前を聞くと、飲んでいたグラスを思わず落とした・・・
S062