of birth

紅こうもり

(1958)
■ 少女 ミステリー 短編
(全27ページ)
■ さつきと富美子の姉妹の隣に、嵐の夜、真っ赤なコートを着たきれいな婦人が引っ越してきた。飼い犬のベルは、婦人の姿を見ると急に吠えるのだった。ある土曜日、学校帰りに裏の林で待ち合わせていた姉妹だったが、さつきが行ってみると、富美子は木の下で眠っていた。その夜から富美子は、夜中に知らないうちにふらふらと外へ出て行くようになる。心配したさつきは、医者になる勉強をしている伯父の三太に手紙を出した。ある日、姉妹がバレーボールで遊んでいると、過ってボールが隣家に入ってしまい、姉の富美子が取りに行った。さつきが心配しているところに、ちょうど三太が訪ねてきた。そのまま隣家に入ってみると、玄関のところに富美子のブローチが落ちている。中は真っ暗で、昼間だというのにカーテンも閉まっている。奥から婦人が出てきたので、姉が来なかったかと聞くと知らないという。だが、婦人の足下には、なぜか影がなかった……当時、マンガにはあまりなかった吸血鬼を扱った怪奇作品。
S048